果てしなく続く山登り

先日の話

とあるご縁でずっとお会いしたかった方とご家族に会うことができました。

その方は5年程前に補助人工心臓をつけ、3年の移植待機期間ののち、心臓移植を受けられました。

心臓移植を経験された方と会うのは初めてで、聞きたいこと盛りだくさんでした。

ドナーが現れ移植を受けるまでの道のり、待機期間中の話、手術後の話、そして今の生活の話、免疫抑制剤の話などなど。質問攻めにする私たち家族に対しても、優しく落ち着いた口調で、丁寧に説明してくれました。

「不安」

原因はたくさんあります。でも、私たちのような難病を持つものにとって、一番の不安の要素は「知らないこと」ではないでしょうか。

「移植の順番が3番以内くらいになると病院が連絡がある」「電話を受けて承諾した後は2時間以内に病院に行かなくてはいけない」「輸送費などの初期費用がかかる」「免疫抑制剤は12時間おきに飲む」「食べ物や生活の制限がある(刺身などの生ものは一生食べれません)」「風邪やインフルエンザにかかると命に関わる」などなど。現実的な話の中でも「移植を受けると生活が大きく変わる」という希望もまた教えてもらいました。

最初は「拡張型心筋症」にちんぶんかんぶん….。そして、BNP、EF、ICD….障害者手帳に難病指定に…アーチストやワーファリン…。「補助人工心臓」「心筋シート」そして、「心臓移植」。この病気に遭遇した時は、周りはまさに深い霧が立ち込め、どこをどう進めばいいのか全く分からずただただ怯えていました。

そこから痛みや苦しみも伴いながらも、色んなことを経験し、勉強し、色んな人に教えてもらいながら、少しずつ少しずつ霧が晴れ、周りが見え、先が見え、希望が持てるようになりました。

この果てしなく続く山登りの途中に出会ったものは、絶望ばかりではありませんでした。同じ病気と闘う同志、医師、看護師、PT、MEさんたちとの出会い、この病気が教えてくれた「当たり前に生きる」ことの大切さ、そして「愛」と出会いました。

私にとって夢のような時間は、あっという間に数時間が経過し、別れの際には「頑張りましょうね」と声をかけてもらい握手を交わしました。

この山登りはいつまで続くのでしょうか?移植を受けたからといって、それが頂上ではないことは百も承知です。

今の私にはまだまだ分かりません。そして、まだまだ道半ば。

でも、ふっと後ろを振り返ると、1年前に霧に囲まれビクビク怯えている私はずっと下の方に見えます。そんな私にこう声をかけてあげたい。「怖がらないで。大丈夫だから。」と。

細身で透き通るような白い肌、少しか弱そうな印象を受けたあの人の力強い言葉。

「心臓移植を受けてから、やりたかった事のうちの1つを達成したのよ」

その言葉と行動力に全身に電気が走り、目頭が熱くなりました。

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見下ろした世界はきっと絶景で、それを想像するだけで鳥肌が立つ。

まだまだ先は長い。でも、登ってやるぞ。そして、この上ない絶景を眺めてやる。

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  1. そうですよね
    「知らない」事って
    急に知ってしまう、
    戸惑い悩んでしまうって
    感じになってしまって
    「知ってた」事より
    色んなダメージを
    受けてしまいそうです
    今回もまた
    DKさんのブログで、来るべき未来を
    お聞きする事ができて良かったです
    心臓が悪くなり
    心臓移植までの補助人工心臓を
    選択する中でも色々な話を
    先生や看護師、医療関係者の方と
    してきましたが、
    当事者の方のお話を文章を通じてですが
    知れるのはDKさんのおかげです
    最近は病状も安定してて
    入院していた時の検査の度に
    一喜一憂してた時みたいな状態で
    ないので、補助人工心臓の先の事を
    あまり考えてない自分がいました
    悩み考え続ける事はしんどいですが
    時にはしっかり病気の今後を
    考えないといけませんね
    また月末、よろしくお願いします。

  2. kjさん
    そうですよね、知ってる範囲内でダメージ受けるより、知らないことで受けるダメージの方が数段しんどいですからね。
    当事者の方の話は大切だなぁと今回の出会いを通してさらに思いました。
    補助人工心臓の先のこと….僕も考えたくないです…とりあえずは来月のオフテストに神経はすべて集中させます。
    はい、月末ゆっくり話しましょうね。

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